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ポケモンフュージョン
読み:ぽけもんふゅーじょん
別名:Pokéfusion、Pokémon Fusion、Pokemon Fusion、ポケモン合体
2匹のポケモンの姿や名前を組み合わせ、架空のポケモンを作るミーム・ファンアート文化。2010年公開の自動合成サイトを通じて広まり、合成結果の描き直しや「最初に出たポケモンが自分の相棒」という遊び、ファンゲームへと展開しました。
どんなミーム?
ポケモンフュージョンは、2匹のポケモンの姿や名前を混ぜて、架空のポケモンを作る遊びだ。英語では「Pokéfusion」「Pokémon Fusion」と呼ばれ、ドット絵の合成画像から、それを描き直したイラストまで、さまざまな形で共有されている。
見慣れた体に、別のポケモンの顔が付いている。色も名前も、それぞれの特徴が混ざっている。どちらのポケモンを使ったのかすぐ分かるのに、完成した姿は妙に頼りなかったり、思いがけず格好よかったりする。その予想の外れ方が、ミームの面白さになっている。
たとえば、日本語版のジェネレーターでは、ピカチュウとビリリダマを組み合わせた「ピカダマ」のように、姿と一緒に名前も合体する。画像を見て笑い、名前を読んでもう一度笑える仕組みだ。
ここで扱うのは、ファンが自由にポケモンを組み合わせる創作文化である。公式作品の特定の合体形態だけを指す言葉ではなく、ジェネレーターやファンゲームも、それぞれファンが制作したものだ。
元ネタは、ファンによる合体ポケモンと自動合成サイト
複数のポケモンを混ぜるファンアートは、自動合成サイトが登場する前から作られていた。少なくとも2008年11月には、ゲームサイト「Kongregate」の掲示板で、ポケモンのドット絵を組み合わせるコンテストが行われている。ただし、この催しが合体ポケモンという発想そのものの最初だったとまでは確定できない。
この遊びを、絵を描かない人にも広げたのが、Alex Onsagerが2010年8月に公開したWebサイト「Pokemon Fusion」だ。公開当初の対応数は約50匹で、その後、初代の151匹へと対象が増えていった。
サイトでは、2匹のポケモンを選ぶか、ランダムに組み合わせるだけで合成結果を見られる。画像を切り貼りする技術がなくても、次々と新しい姿を作って共有できるようになった。
2013年にもネット上で注目を集め、同年6月4日には、制作者が合成の仕組みを説明する記事を公開した。ポケモンフュージョンは、一度だけの流行で終わらず、後年にも繰り返し見つけ直される遊びになっていく。
頭と体を替えるだけで、印象が崩れる
Onsagerのジェネレーターは、あらかじめ切り分けたポケモンの頭と体を使い、頭の大きさや位置を調整して重ね、体の色も合わせる仕組みだ。名前も前半と後半を組み合わせて作られる。
現在の生成AIに文章を入力して、新しいポケモンの絵を描かせていたわけではない。元からあるドット絵の部品を、一定のルールで自動合成している。
そのため、すべての組み合わせが自然な姿に整うとは限らない。顔の向きが体とかみ合わないこともあれば、迫力のある体に気の抜けた表情が付くこともある。元のポケモンでは魅力になっていた特徴が、別の体へ移った途端、妙なおかしさを生む。
一方で、意外なほどよく似合う組み合わせも出てくる。合成する相手や、頭と体の担当を替えると、見た目の印象が大きく変わる。外れた結果も当たりの結果も見たくなるため、ランダム生成をもう一度押したくなる。
2019年、「政府から割り当てられた相棒」で再流行
2019年6月には、合成結果を自分の「最初の相棒」にする遊びが広がった。きっかけの一つは、6月6日のTumblrユーザー「ijustreallylikeeevee」の投稿だ。
ルールは、サイトを開いたときに出てきたポケモンを、自分の「government assigned starter」として受け入れるというもの。日本語にすれば「政府から割り当てられた最初の相棒」ほどの意味で、もちろん実際の制度ではなく、勝手に決められた相棒から冒険を始めるという冗談だ。
6月下旬にはTwitterにも広まり、それぞれが引いたポケモンを投稿するようになった。@kirstonnnが共有した、イーブイとミュウを組み合わせた「Eew」も、その使用例である。
単に面白い合成画像を見るだけなら、気に入らなければ作り直せばよい。ところが「これが自分の相棒」と決めると、変な姿にも付き合っていくことになる。「このポケモンと旅に出るのか」という戸惑いや、見ているうちに湧く愛着まで、投稿のネタになった。
合成結果を、もう一度描き直す
広がったのは、ジェネレーターの画像をそのまま貼る投稿だけではない。合成されたドット絵をお題にして、イラストへ描き直すファンアートも作られた。2019年6月24日のVivinkArtの投稿も、こうした創作の一例だ。
ドット絵では唐突に付いていた顔や体も、描き手が輪郭やポーズを整えると、一匹の生き物としてまとまって見える。反対に、合成結果の不気味さを強めたり、表情を豊かにしてかわいらしくしたりする方向にも描ける。
面白いのは、元の合成結果と描き直した絵を見比べられることだ。「この組み合わせが、こんな姿になるのか」という驚きが加わり、自動合成の偶然が、別の人の創作の出発点になる。
Japealや『Pokémon Infinite Fusion』への広がり
ポケモンを合成するツールは、Onsagerのサイトだけではない。JapealのFusion Generatorも、キャラクターやモンスターを組み合わせるジェネレーターを展開している。色を変えたり、模様を加えたりする機能もあり、できた姿をさらに調整する遊びへつながっている。
また、合成したポケモンで冒険するファンゲームが『Pokémon Infinite Fusion』だ。2015年4月22日には、開発者Schrromsがポケモンのファンコミュニティ「PokéCommunity」の掲示板に紹介スレッドを立てている。
このゲームでは、組み合わせた姿を見るだけでなく、そのポケモンを育て、技を覚えさせ、バトルに参加させられる。コミュニティが手作業で描いた専用のドット絵も加わっており、合体ポケモンを作る発想が、遊べる作品として発展している。
元のジェネレーターとファンゲームは、同じ名前の一つのサービスではない。それぞれの制作者や参加者が、「2匹を混ぜたらどうなるか」という共通の発想を広げてきたものだ。
なぜ、何度でも遊べるのか
ポケモンフュージョンは、元のポケモンを知っているほど、変わってしまった部分に気付きやすい。見慣れた顔や体が残っているからこそ、合体後の違和感もすぐに伝わる。
遊び方も一つに決まっていない。好きな2匹を混ぜる、頭と体を入れ替えて比べる、ランダムな結果を自分の相棒として紹介する、出てきた姿から新しい絵を描く。見るだけの人も、投稿する人も、絵を描く人も、それぞれ参加できる。
合成結果を笑って終わることもあれば、変な姿の一匹を気に入り、名前を呼び、冒険まで想像することもある。ポケモンフュージョンは、見慣れたポケモンを崩す遊びであると同時に、偶然できた新しい相棒を好きになる遊びでもある。
出典・参考
- https://pokemon.alexonsager.net/
- https://pokemon.alexonsager.net/ja
- https://invisibleparade.com/posts/behind-the-scenes-pokemon-fusion
- https://knowyourmeme.com/memes/pokefusion-pokemon-fusion
- https://www.inverse.com/article/57026-pokemon-fusion-website-twitter
- https://www.dailydot.com/unclick/pokemon-fusion-memes/
- https://rensai.jp/281322
- https://x.com/kirstonnn/status/1142936732247007232
- https://x.com/VivinkArt/status/1143069240343195649
- https://www.patreon.com/fusiongen/about?l=es
- https://www.pokecommunity.com/threads/v6-7-pok%C3%A9mon-infinite-fusion-new-pok%C3%A9mon-character-customization-and-more.347883/